在職老齢年金をもらう時になると悩ましいのが、28万円の壁です。
給与と年金を足して28万円を超えると年金がカットされます。
働きながら老後資金を増やそうとしていた人には、ガッカリな制度です。
しかし、定年後の仕事は程々にと考えていた人には朗報でした。
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ところが、実はここにも落とし穴が潜んでいました。
配偶者の社会保険に注意
奥さんがパート勤務で働いているなら、「28万円の壁」を活用する前にちょっと調べておきましょう。
あなたは、勤務先の健康保険組合に入っていると思います。
と言うことは、あなたの奥さんも被扶養者として、同様に健康保険組合に入っていると思います。
健康保険組合の被保険者の認定条件を確認したところ、以下の条件があることが分りました。
認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上またはおおむね障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となります。
出典:全国健康保険協会の被扶養者認定基準
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3160/sbb3163/1959-230
あなたの年収は、奥さんの2倍以上 でなくてはなりません。
この条件を満たさないと
奥さんは健康保険組合の被保険者から外れることになるのです。
裏ワザ利用時の年収を試算
多くの方の在職老齢年金は、約10万円前後 だと思います。
この時、年金調整を受けないように裏ワザを使って給与をもらうとします。
するとあなたの年収は、以下のようになります。
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あなたの奥さんは、できるだけ多くのパート収入を確保したいでしょうから、以下の条件をクリアしながら働いていると思われます。
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この時に注意しなくてはならないのは、106万円の壁です。
健康保険協会の被扶養者認定基準から試算して、以下の条件をクリアすることが求められます。。
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裏ワザの活用には大きなリスクがある

あなたは、年金調整でマイナスにならないように28万円の調整が必要です。
一方、奥さんもパート収入確保と社会保険回避の為にギリギリの調整になります。
但し、あなたの収入は奥さんのパート収入の2倍になるように調整すなければなりません。
一歩間違えば
奥さんがあなたの健康保険の被保険者である資格を失うかもしれません。
そうなったら、裏ワザでガッチリ、のんびりどころではありません。
まとめ
年金の受給や高齢者雇用継続給付金の受給においては、様々な条件が絡んできます。
週刊誌やネットの年金記事には、メリットをアピールしますがデメリットには触れてない場合が往々にして見受けられます。
試算で用いる金額も記事内容をアピールするために上手く加工してたりします。
安易に裏ワザ記事を信用しないで、自分の場合はどうなるのかシッカリと調べましょう。
街角の年金相談センターでは、些細な疑問でも親切に説明してくれます。
また市役所などの窓口でも、相談に乗ってくれます。
大切な老後資金の活用になりますので、億劫がらず何度でも足を運ぶことをお勧めします。